ウイヴリスコム編

いよいよ研修先のウイヴリスコムへ向かい、また新しい生活が始まります。
だいぶイギリス生活も慣れてきましたが、日本人がいない環境でさてどうなることやら。
日付をクリックしてその日の日記を読めるようにもなっています。

  • 9月 8日(土):トウトンへ引っ越し
  • 9月 9日(日):Wiveliscombeウィブリスコム
  • 9月10日(月):学校
  • 9月11日(火):学校二日目
  • 9月12日(水):小学校回り
  • 9月13日(木):買い物
  • 9月14日(金):一週間の終わり
  • 9月15日(土):トウトンへ行く
  • 9月16日(日):ミッチェル一家
  • 9月17日(月):教え始め
  • 9月18日(火):日本のPR展示
  • 9月19日(水):小学校回り
  • 9月20日(木):ごく標準の一日
  • 9月21日(金):イギリス人の名前
  • 9月22日(土):トーキーに行く
  • 9月23日(日):蒸気機関車を見に行く
  • 9月24日(月):ウィブリスコムの町
  • 9月25日(火):日本をどのくらい知っている
  • 9月26日(水):暖かい学校
  • 9月27日(木):臨時のお休み
  • 9月28日(金):パブの話
  • 9月29日(土):トウトンでアクシデント
  • 9月30日(日):エクスムーア国立公園
  • 10月 1日(月):アクシデント解消
  • 10月 2日(火):トラブル解消
  • 10月 3日(水):小学校へ行く
  • 10月 4日(木):ウォーキングの話
  • 10月 5日(金):学校での授業
  • 10月 6日(土):4週間経過
  • 10月 7日(日):お寿司を作る
  • 10月 8日(月):ゴミの話
  • 10月 9日(火):新しい授業の試み
  • 10月10日(水):甘い料理
  • 10月11日(木):犬と猫
  • 10月12日(金):フランスへ買出し
  • 10月13日(土):腰痛です
  • 10月14日(日):イージー・ジェットで予約する
  • 10月15日(月):休み前の一週間
  • 10月16日(火):全校集会
  • 10月17日(水):オーク・マナーゴルフクラブ
  • 10月18日(木):キャッシー
  • 10月19日(金):ノン・ユニフォームデー
  • 10月20日(土):ロンドンへ
  • 10月21日(日):アレクサンドラパレス
  • 10月22日(月):バルセロナ
  • 10月23日(火):バルセロナ2日目
  • 10月24日(水):ミロとガウディ
  • 10月25日(木):バルセロナ最終日
  • 10月26日(金):またイギリスへ
  • 10月27日(土):ロンドンの繁華街
  • 10月28日(日):トウトンへ帰る
  • 10月29日(月):学校が始まる
  • 10月30日(火):秋晴れの日
  • 10月31日(水):ハロウイーン
  • 11月 1日(木):あと一週間
  • 11月 2日(金):最後の週末
  • 11月 3日(土):トウトンへ散髪に
  • 11月 4日(日):プリマスへ行く
  • 11月 5日(月):最後の授業
  • 11月 6日(火):送別ランチ
  • 11月 7日(水):最後の最後で小学校
  • 11月 8日(木):ペンザンスへ
  • 11月 9日(金):ランズエンドへ
  • 11月10日(土):ウィブリスコム最後の晩に
  • 9月8日(土):トウトンへ引っ越し


    トウトン駅

    与えられた部屋

    イギリスの地図を見ると左下南西の方角に半島が伸びているのが分かります。ロンドンから見るとバースやストーンヘンジの方向で、これがコーンウオール半島です。Tauntonトウトンはこの半島の付け根のあたりに位置しバースの南西にあたります。このあたりは観光名所も特になく、日本人はまず訪れない所かと思います。ロンドンのパディントン駅を出た急行はトウトンまで約2時間かかり、さらにこの先半島の先端までは2時間ほどで行くようです。
    今日はそのトウトンへ引っ越しです。荷物は別送したものの、残ったものでもかなりの重さとなりました。パディントン駅では発車5分前までホームの表示が出ず、またどの車両に乗れば良いのかも不明で駅員に聞いたりもしましたが、何とか乗って席も確保できました。ほぼ満席の状態です。
    トウトン駅にはホームステイ先のご夫妻と、日の丸の旗を持った研修校の先生が出迎えてくれました。挨拶して車で家まで連れて行ってもらいました。駅から20分ほどかかる小さな村というか町です。
    家は広くてきれいです。前の家とは比べ物になりません。与えられた部屋も10畳ほどあり、机・本棚・衣装箪笥など設備も十分です。
    夕食は奥さん手作りのパスタとデザートで、美味しくしかもワインまで出ました。二人いる男の子はパソコンが得意でゲームなど見せてくれました。ホスト夫妻はフレンドリーで全くセント・オールバンズと違う環境ですが楽しくやって行けそうです。
    9月9日(日):Wiveliscombeウィブリスコム


    真ん中がホームステイ先

    裏の丘からの眺め

    引っ越しして初めての夜があけました。ロンドンあたりよりは日の出が遅く7時ころやっと明るくなります。
    住所はサマセット州のWiveliscombeウィブリスコムと言うところです。
    ご主人はちょとチャップリンに似ていて親切な人です。遅い朝食後にドライブに誘ってくれました。近所のダムまで行ったのですが、小高い丘から眺める風景は牧草地と耕地が続く素晴らしいものでした。細い山の中の道にはphesant(キジ)がたくさんいて、車が来ると慌てて逃げます。ともかく自然の豊かなところです。午後になり今度は奥さんも一緒に散歩です。月曜から行く学校は歩いてすぐのところでした。ちょうどこの日はお祭り日に当たるらしかったのですが、町のセンターも大した人出もなく静かなものでした。一家中で散歩をしているとご主人は行きあう人としょっちゅう挨拶をしています。それだけ親密な人間関係のある狭い町なのでしょう。
    夕方もまた散歩です。他にはテレビを見ることくらいしかやることのないところなのです。家のすぐ裏から丘に登って行け、そこからウィブリスコムの町が一望できます。ここもフットパスになっていました。
    なんとか英語で話をしていますが、やはり疲れます。今までは日本語に安易に頼っていたのだなと痛感します。この調子であと2か月。話せるよう努力をしなければと初めにあたり決意します。
    9月10日(月):学校


    外国語センター

    裏の丘からみた街並み

    初登校日です。ホームステイ先の奥さんキムはこの学校の事務をしていますので一緒に登校しました。学校はKingsmead Community Schoolと言う名前で800名ほどの11歳から16歳までの生徒がいます。学校までは歩いて10分もかかりません。所属先は外国語センターです。ここではフランス語、ドイツ語、スペイン語を教えていて、全生徒はそのうちの2ヶ国語を学ぶそうです。朝の職員ミーティングで紹介されて後はフランス語担当の主任先生に付いて授業の見学です。今週はいろいろな先生に付き様子を見るようです。午前の授業は9時から1時まで4時限あります。フランス語そのものはあまり難しいことを教えていませんでしたが、パソコンを使った授業が印象的でした。パソコンとホワイトボードが連動したような設備があり、ホワイトボードからもパソコンの操作ができるようになっています。デジタルで文字も書けるようになっていて日本では見かけたことがありません。またパソコン教室には何十台ものデスクトップが置かれていて専任も複数います。
    午後から多分科学の授業でしょうか、11歳の子供たちと一緒に脳の事を説明する授業を受けましたが、子供たちの答えが聞き取れません。テレビとおんなじでこちらの事情はお構いなしだからでしょう。ともかく英語だらけで疲れ果てて帰って来ました。
    帰ってから気分転換のウオーキングで裏の丘からフットパスを歩きました。このウィブリスコムにはたくさんのフットパスがありガイドブックも出ています。
    9月11日(火):学校二日目


    外国語センターのパソコン教室

    裏の丘を上がったところにある畑

    今日は学校二日目です。昨日とは違うドイツ語の先生に付きました。午前は4時限ですが,、途中2時限が終わった時に10分の短い休みがあるだけです。午後は1時限だけで終わりです。昼休みはお弁当か学校の給食です。給食は生徒は有料ですが先生は無料です。多分学科の経費なのでしょう。メニューは5,6種類の中から朝注文しておきます。どんな料理か分からないので適当に注文して、食堂で生徒と一緒に食べます。そこそこの味です。
    クラスは能力別のようにも見えます。先生が今度のクラスは優秀と言ったクラスには小さい子もいましたがかなり出来ました。一方そうでもないクラスは先生も匙を投げているような子供も結構見かけました。
    昨日もそうでしたがパソコンの活用には目を見張るものがあります。学校のホームページから教材に入ったり、またインターネットを活用したりします。
    パソコン専用の教室もいくつもあります。日本の現状はどうなのでしょうか。小中学校では多分ここまではやっていないのではないでしょうか。
    またもやくたびれて帰ると気分転換のウオーキングです。なにしろ何にもなくて、数分で牧場に到着する土地柄です。
    夕食にはワインが必ず出て、手作りの美味しい料理を家族と一緒にいただきます。なんとかお互いに話を交わし楽しく出来ています。
    9月14日(金):一週間の終わり


    パソコンと連動したプロジェクター

    ランチのローストチキン

    早いものでウィブリスコムに来てから一週間がたとうとしています。毎日違う先生について一通りの授業を参観しました。子どもや先生も結構見覚えのある顔が増えてきました。このごろ日本語のあいさつなど教えているので「こんにちは」と声をかけてくれる生徒もいます。また先生方は必ず挨拶をしてくれます。イギリスの習慣なのでしょうか、無言ですれ違うことはまずありません。
    午後になり主任のJulieから来週の具体的な授業予定の相談です。まずは一日2時限ほどの授業に最初顔を出して、その後別室で数人づつ呼び出しその子の名前を日本語で書いて覚えさせるという案です。そうすると本来の授業もつぶれないし、いきなり何かをやるのでなく様子を見られると言うことらしいのです。私の受け入れについても結構考えていたらしいのです。こちらには特にこうしたいと言う強い希望もないので学校の考えに乗ってやっていこうと思います。
    また火曜日には、廊下にある大きなボードに何か日本のものを飾ってくれとのことです。これは用意してきた地図とか国旗「あいうえお」の表など貼れば出来上がりのはずです。
    体は疲れませんが頭が疲れた一週間でした。
    9月15日(土):トウトンへ行く


    トウトンのお城

    ウィブリスコムのお祭り

    ウィブリスコムの人口は約2,500人ほどで鉄道駅のあるトウトン中心地区の人口は数万人だそうです。
    今朝は奥さんのキムが下の子供のチャーリーを連れてクリケットを見に行くと言うので、一緒に町までバスで出かけました。クリケットは大変人気があり、今日の試合は1時から7時過ぎまではかかるとか言っていました。長い試合だと数日かかるそうです。よくルールは分かりませんが、草野球のように子供がやっているのを見かけます。
    30分ほど乗ってバスセンターに着きました。久しぶりに見る人波です。セント・オールバンズよりはずっとにぎやかで、さすがにこの地方の中心都市です。インフォメーションで地図をもらい歩き回りましたが特に見どころもなく、ホテルになっているお城など見て回りました。昼食はOTTERと言うエールビールとフィッシュアンドチップスです。のんびりお城や通行人を眺めながら芝生の上の昼食を楽しみました。
    3時過ぎには一人でバスでウィブリスコムに帰りましたが、今日は近隣10地区のお祭りの日でした。普段人影のないセンターのあたりは屋台が出て、仮装した子供などで賑わっていました。さしずめ秋祭りと言ったところでしょう。
    9月16日(日):ミッチェル一家


    夕食のローストチキンとミッチェル一家

    ピートの営業車
    車はもう1台サーブの乗用車があります

    ホームステイでお世話になっているミッチェル家の紹介です。
    父親は50台でピーターと言う名前ですが、ピートが愛称です。職業は自営のペンキ屋さんとのことです。奥さんはキム。長男ジャック15歳と次男チャーリー12歳の男の子二人います。二人とも私が今通っている学校に行っています。ピートはstupidと言うのが口癖で楽しい人物です。キジを見かけても「stupidなやつだ」と言うし、奥さんがピートを何と呼ぶのかと聞けば「stupid」と答えるといった具合です。ピートはロンドン近郊の出身でキムはこの近くの生まれだそうです。
    結婚してから今の家で4軒目だそうで、買った時よりは次々に高く売って今の家を買い、内装を全部新しくしたとのことです。二階建てで1階は居間と台所、食堂です。台所はガスを使わず電気だけで、冷蔵庫も外観はオーダーのようで家具と一緒のデザインです。2階には寝室3部屋とバス、トイレがあります。長男の部屋を借りていますので、子供二人は一部屋にいます。きれい好きの家でいつもきちんとかたずいています。
    毎日の生活を見ていると、実によくピートや子供たちは家事の手伝いをしています。食事は基本的には一皿ですが。あとかたずけは各人が台所の皿洗い機に入れてます。ソースなどの調味料も子供がかたずけています。皿洗い機で乾燥が終わると食器棚へ入れるのはピートの仕事です。またピートは料理も良くします。ジャガイモの皮をむいてゆでたりなどは当たり前で、奥さんが出かけていると夕食を全部作っています。朝食はみんなほとんど食べないのですが、私は自分用にトーストを焼きコーヒーを入れあとかたずけもするようになりました。
    写真は今晩の夕食ローストチキンとミッチェル一家それにピートの営業車です。車はもう1台サーブの乗用車があります。
    9月17日(月):教え始め


    町の郵便局

    いつもの散歩道をふさいでいる牛

    今週から生徒に「日本語で自分の名前を書く」ことを教え始めます。初日の今日は3時限分の生徒を受け持ちました。場所がないので廊下に机といすを持ち出して、二人ずつ本来の授業を抜け出してくる生徒を順番に相手にしました。ノートにまず自分の名前を書いてもらいます。書いてもらった名前の下にカタカナで書いてそれを真似させます。
    いろいろな名前がありますが、発音は日本語風ではなくしっかり発音しないと違うと言われます。たとえばLiryリリーはエルとアールをしっかり区別して発音しないと理解されません。子ども相手ですが、こちらにとっては発音練習の良い機会となります。また正確な発音をカタカナで表すのは難しく、リリーはエルとアールが一緒になってしまうので不思議がられます。一ペア5分ほどで交代ですが、終わる時にしっかり褒めてあげます。先生は褒め言葉を実によくかけています。good!だけでなくexcellent!とかbrilliant!などです。「素晴らしい!君は日本語で名前が書けたのだ!」と言ってあげます。
    今までのように他の先生についていないので時間が自由になります。持って行ったノートパソコンを学校のランにつなぐことを、学校のシステム管理者にお願いしてやってもらいました。マイパソコンの日本語表記が分からないのは当然ですが、なんとかつながりました。これで学校でも自分のパソコンが使えるようになりました。
    9月19日(水):小学校回り


    オークの小学校

    同校庭の汽車

    午前中はジュリーと一緒に小学校を回り、2校で各2クラスにしっかりと日本語を教えました。1校はオークと言う村にある本当に小さな学校で、複合学級が2クラスというものでした。例によって「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」と数を10まで日本語で教えると言う内容ですが、手伝ってくれたジュリーの教え方は上手です。飽きさせないように生徒をぐるぐる回らせてお互いで言い合うとかの工夫も十分で、こちらも一生懸命やることが出来ました。数の教え方が面白いので紹介します。かっこの中が英語で似た発音の言葉です。それをジェスチャー入りで教えます。
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    1いち(itch/かゆい)顔を掻きながら
    2にい(knee/ひざ)膝を叩く
    3さん(sun/太陽)丸くお日さまの形
    4し (she/彼女)女の子を指して 
    5ご (go/行け)走る格好
    6ろく(rock/岩)ロッククライミングの格好
    7しち(she itch/彼女がかゆい)女の子を指して顔を掻く
    8はち(hatch/ヒナの孵化) ひよこの真似して
    9きゅう(cue/ビリヤードの棒)ビリヤードの真似
    10じゅう(dew/露)草の露を拭う真似
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    7などはかなり苦しいのですが、これをだんだんスピードを速くしたり、逆からやったりします。

    夜になりピートがパブに一緒に行くか聞いて来ました。もちろん承知しました。友達のスティーブンが今夜迎えに来る予定だそうです。8時半過ぎスティーブンが来て途中彼の家に寄り、パブに行きました。スティーブンはコンサルタントのような仕事をしているようですが、日本語に興味があり話が弾みました。ピートとスティーブンが互いに話すときは会話が早くてほとんど分かりませんが、話題がこちらに向けられるとゆっくり分かりやすい表現で話してくれます。飲んでいても英語の勉強です。
    9月20日(木):ごく標準の一日


    町中の家

    町中の家

    最近のごく標準の一日をどう過ごしているか書いてみます。
    朝7時前には目が覚めます。7時半頃にみなが起きてきます。朝食はいたって簡単でミルク入りの紅茶とチョコレートバーをてんでにつまむくらいです。私だけがパン2枚にバタートジャムをつけて食べています。ピーターとキムは8時ころまでには家を出ます。8時15分には私も家を出ます。子どもたちは9時授業開始なのでもう少しゆっくりとしています。8時半には学校に着いていますが、ほとんどだれも来ていません。送迎バスが到着すると騒がしくなりますが、その頃が朝の職員ミーティングの時間です。
    9時にベルが鳴って1時限目が始まります。1時間の授業が終わっても休みがなく2時限目となります。2時間目が終わり、11時になって15分の休み時間があります。この時間に軽い食べ物をとっている子供も見かけます。また休みなく3、4時限目があって1時15分に昼休みとなります。昼食は講堂のようなホールでとります。ここではいろいろな料理と飲み物を売っています。私は先生扱いで都度支払いません。生徒も一緒に食べますが、お弁当を持ってきている子も多いようです。5時限目は2時35分から1時間ですが、その前にホームルームのような時間があってクラブ活動などもしています。5時限目が終わるとバスと徒歩でほとんどの生徒は下校します。4時に家に帰るともう兄弟は帰っています。
    キムは4時半ピーターは5時過ぎに帰ってきます。ピーターは帰ってくると早速キムの夕飯の支度を手伝いです。そのころ丁度私は散歩中ですがさすがに最近はさすがに寒くなりました。キムは2週間に一度町に買い物に行き、大量に食品のストックがあります。
    夕飯が7時で毎日1本ワインを空けます。普通はそれ以上飲むことはありません。食べ終わると食器は皿洗い機にいれ、食べ残したものはみな捨てています。ミッチェル一家の食事を見て気がついたことですが、どの料理でもナイフとフォークを使います。決して手で持って食べません。また肉など切るときはキーキーとものすごい音を立てています。
    夕食が終わるとテレビを見たり子供はゲームをしたりしていますが、不思議なことにだれも風呂に入る気配がないのです。空気が乾燥していて汗をかかないせいかあまり体も汚れないようです。まあこんな具合にゆったりと毎日過ごしています。
    9月21日(金):イギリス人の名前


    ランチタイム

    女子生徒

    この学校は11歳から16歳の男女共学で、日本の小学校高学年から中学生くらいでしょうか。みんな制服を着ていてすれ違うと覚えたての「コンニチハ」で挨拶してくれる子もいます。好奇心の強い年頃なのでしょう。概して年少の子ほど素直ですが、年長になるとやる気のない生徒も見かけます。廊下に立たされている子も良く見かけます。
    学校で最近やっていることは、生徒の名前を書かせて発音してみてそれをカタカナで書いてあげる。そのカタカナを真似して書かせると言うことです。これが結構面白いのです。まず生徒の英語はこちらの事情も考えず普通のスピードですから、ちょっと違う話題になると聞き取るのに苦労します。また自分の名前の発音も正確に要求されます。FARRELLYという名前などは苦手なRとLが混じっていて何度も繰り返させられました。そのほかいくつかの名前とカタカナ読みです。
    Freya McLennan Banks (フレア マックレナン バンクス)
    Edwin Catherine Attree (エドウィン キャスリーナ アットゥリー)
    Megan Magan (メガン メイガン)
    Catherine Farrelly (キャスリーナ ファレリー)
    カタカナで書いてみると実際の発音とはかなり違います。特に英語では子音であるべき発音が日本語の表記では母音が入ってしまうので違ってくるようです。Catherineはキャサリンと思いますが聞いている限りではキャスリーナに近くしかもスリーナの部分はみな子音の発音です。
    ともかくこうして英語耳が鍛えられているものと期待しています。
    9月22日(土):トーキーに行く


    プリンセスピア

    海岸

    アガサ・クリスティの胸像

    日本ではあまりなじみがないのですが、イギリスの南西部の海岸にあるトーキーはリゾート地としてイギリスでは大変人気があるようです。この地はまたミステリー作家アガサ・クリスティの生まれ暮らした所としても知られています。二度目の土曜日は特に予定もなかったので行ってみることにしました。
    朝7時半過ぎのバスに乗りトウトンまで出ます。ロンドンからの特急に乗り、途中乗り換えてトーキーの駅まで行きます。沿線は左手に海が見え、どことなく伊豆半島東海岸に似た風景です。トーキー駅に降り立つと右手前方に海が開けて海岸ぞいに道が続きます。しばらく歩くとプリンセスピアとよばれる大きな桟橋に着きます。今日は暖かで風もなくのんびりと釣りをする人たちも見えます。海岸沿いには土産物屋とカフェがずらりと並んでいます。年配の夫婦や家族ずれが多く熱海あたりの観光地を思わせます。町の後方の高台にはヴィラが立ち並んでいます。昼食は小エビのバケットとビールでのんびりすませ、今度は砂浜を歩き駅に向かいます。服装は長袖シャツでちょうど良い気温ですが、イギリス人は基本的にTシャツや短い袖のシャツで中には上半身裸の人も見られます。ともかく寒さに強い人たちです。夕方にはホームステイ先に帰り着きました。
    9月23日(日):蒸気機関車を見に行く


    蒸気機関車

    ボーリング

    ひさしぶりに雨が降っています。ピートの車の洗車を手伝うことになっていましたが中止です。ジャックはスカウトのキャンプでいません。ゆっくりと起きて朝昼兼用の食事を済ませました。その後はピートと一緒にトウトンの町まで、もう一台の車サーブの点検に出かけることになりました。
    途中West Somerset鉄道の始発駅Bishops Lydeard(ビショップス リディアード)に寄り道をしました。この鉄道はここから北の海ぞいMineheadまで、1時間半かけて蒸気機関車が走っています。観光列車なのでしょうがイギリスでも珍しいようです。ちょうど出発時で昔ながらの煙を吐く蒸気機関車を見ることができました。

    さて夜はパブで子供ボウリング大会があるそうです。本当はボウリングに似たゲームで呼び名は違いますが、同じようなもののように見えます。パブの別棟の二階で行われてチャーリーが出ます。ピートと二人付添ですが、こちらはパブでビールを飲みながら待機です。このパブには宿泊もできて、ビリヤードやスロットマシンなどの遊び道具もあります。食事もできますので、早い時間は食事だけの人も見かけます。9時になりチャーリーを連れての帰宅となりました。
    9月25日(火):日本をどのくらい知っているか


    学校正面

    いつもと違うフットパス

    相変わらず一日3時限ほどは他の先生の授業の時間を割いてもらい、簡単な日本語を教え生徒の名前を順番にカタカナで書いてあげています。子どももいろいろですが中には大変興味を示してくれる子もいます。ともかく褒めてあげると目に見えて喜んでいるのが良く分かります。カタカナの名前を真似て書かせてから「君は日本語で自分の名前がかけたんだよ。素晴らしい!」「もし日本人に会って名前を聞かれたら日本語で書いてあげると素晴らしいね!」「きっとその日本人はびっくりするよ」「なんて素敵なんだろう!」こんな調子です。ただ自分の名前だけに発音にこだわる子もいたりして面白いです。
    最後に「何か日本の事を知っている?」と聞くとほぼ全員が「知らない」と答えますが、「ポケモンは知っている?」「車のトヨタやホンダは?」「スシは?」と聞くと皆知っています。日本のものと意識されていないのですね。中には地理で習ったと言って地震が多いとかエレクトロニクス製品が優れていると答える子もいました。
    先生に子供たちは早口でよく聞き取れないと言うと「なまりもあるからね」との答えでした。このままいくとコーンウォールなまりの英語になってしまうのかな?
    どうもここら辺はフランス語っぽい発音があるそうです。ピートはだれか話をしていると、スコティシュとかアイリッシュとか訛りをすぐ指摘します。
    9月26日(水):暖かい学校

    このところ一段と冷えて、日中は15度夜は5度くらいだと思います。どうも日本の11月ころとイギリスの気温はおんなじようです。さすがにピートも短パンTシャツでは寒いと言い始めました。昨夜は日本ではお月見だと言って、外に出て仲秋の月を眺めました。ピートは革のジャンパーを羽織っていました。

    学校の暖房

    廊下には生徒の赤いロッカー

    学校に行ったところ今日から暖房が入っていました。水曜は受け持つ時間が2時間なのであとはコンピュータルームでインターネットをチェックしたり、教材の準備をしたりして過ごしています。暖かいと言うのは良いものですね。それにしてもイギリスでの不思議なことは本当にみんな薄着なことです。私が長袖にフリースを着ているのについ最近までほとんどの人は短パン半袖でした。
    さて学校では明日、低学年はトウントンでスポーツ大会があると言うお知らせをしていました。午前と午後エントリーした種目に参加できるのですが、その種目がいろいろあります。フットボールやラグビー、サイクリング、オリエンテーリングなどの野外スポーツに並んでゴルフもあります。さすがお国柄が出ている種目が並んでいます。
    写真は学校の暖房と廊下です。廊下には生徒の赤いロッカーが並んでいます。。
    9月27日(木):臨時のお休み


    教会

    教会の屋上

    トウトンでのスポーツ大会のため、先生が付き添って行ったりして時間割が変わりました。今日は予定していた授業がなくなり、休んでも良いと言われたので帰って来ました。
    途中教会に立ち寄り外から眺めていたら、人が出てきて中を見学してはと勧めてくれました。いつもは学校の行き帰りに前を通るだけでしたが、中はステンドグラスも見事で見ごたえがありました。案内してくれた人は牧師さんではないようでしたが、塔にも上ったら良いと案内してくれました。今日はよく晴れて、町では一番高い建物ですから、いつも見る丘からとは違った眺めです。この人は若いころ船員で日本にも行ったことがあるそうです。どこに住んでいるのか聞かれ、答えるとすぐに分かりました。狭い町だからみんな知っているとのことです。200年前に前の教会が壊れて立て直したとかいろいろ説明してくれましたが分かりやすい英語でした。
    家に帰ると長男のジャックが学校を休んでいました。この前のキャンプで体調を崩したようで、胃の具合が悪いようです。ジャックは学校では優等生でクラス委員のような役割をしていてそのバッジも付けています。
    そうこうするうちにキムとピートも帰って来ました。どうやらランチを家で食べるようです。私はと言うと学校でランチを朝予約していたので学校に戻りました。
    9月28日(金):パブの話


    パブのカウンター

    ポーカーをしているテーブル

    寒い上に雨が降る週末ですが、早いもので3週間がたちました。今日は特に変わったこともないのでパブについて少し書いてみます。
    水曜と日曜にはパブに行きます。いつもピートの親友のスティーブンが8時過ぎに迎えに来て、三人で一緒に行きます。スティーブンはコンサルタントのような仕事をしているそうですが、物静かで日本語に大変興味を持っています。ピートは家でもパブでもワインを飲みます。2軒あるパブのうち最初のころ行っていたパブは、グラスの拭き方が悪くてワインの味が変わるとピートが言い出し、この頃はもう一軒のパブに行っています。私はもっぱら地元のエールと呼ばれるビールを飲んでいます。注文の仕方ですが、最初はだれかが全員分払い、3人飲み干しお変わりすると次の人が払います。順番に払っていきますから3杯は飲むことになります。話がはずむと4杯目に行くこともあります。閉店時間は厳格で11時になると追い出されてしまいます。
    さてパブのお客ですが、いつも一人で飲んでいる常連や犬を連れた人、女性だけのグループ、ポーカーをしている人など様々です。ビリヤードやスロットマシンをしている人もいます。ちょうど開催中のラグビーワールドカップは大きなテレビで放映されていて熱心に観戦する人もいます。食事をすることもできますが、ほとんどの人は飲み物だけです。いわゆるおつまみに類するものは食べません。ピートもスティーブンも私相手の時はゆっくり分かりやすく話してくれるのと、酒で舌も滑らかになるせいか、一石二鳥、パブでは大変良い英語の勉強になっているのではないかと思っています?!
    9月29日(土):トウトンでアクシデント


    カードを飲込んだキャッシュマシン

    雨が降っています

    朝から雨模様です。買い物に出かけるミッチェル夫妻の車に便乗してトウトンの町まで出かけました。
    町のセンターで下してもらい、道路に面して設置されている銀行のキャッシュマシン(キャッシュボックスのこと)に銀行カードを入れました。あらかじめ海外でも口座から現地通貨で引き出せるように日本で手続き済のものです。ところが途中からおかしな具合になりました。取り消してカードを出すよう指示しても出てこなくなってしまったのです。次に並んでいた人がどうしたのか聞くので事情を話すと窓口に行けと言ってくれました。仕方がないので銀行の中に入り案内係の人に言うと、今日はだめで月曜に来てくれとのことです。そんな馬鹿なと粘っても「ソーリー」だけでらちがあきません。機械を見に行ってもくれません。クレジットカード機能もあるので何かの拍子にヒョコット出てきて使われるとまずいなとも思いましたが、保険もあることだし月曜まで待つしかないとあきらめました。
    帰ってから夫妻に話すと何の疑問もないようでした。イギリスではこんなことが良くあるのでしょうか?そしてサービスはこんなものなのでしょうか?なにはともあれ月曜は学校を休んで銀行まで行く羽目になりました。
    この日は雨でしたが傘をささない人が結構たくさんいます。ザーザー降りの中写真の手前の女性は何か食べながら歩いていました。
    9月30日(日):エクスムーア国立公園


    ムーア

    リンマウスのホテル

    マインヘッド
    近くには国立公園が二つあります。ひとつはダートムーア国立公園でもう一つはエクスムーア国立公園です。ムーアと言うのは木がほとんど茂らないヒースで覆われた耕地にもならない原野のことだそうです。このエクスムーアにピートが車で連れて行ってくれると言うのです。しばらく前に地図を見ながら話をしたことがありますが、ピートに言わせるとダートムーアよりはエクスムーアの方が良いとのことです。昼前にランチを持って出発です。
    ウエブリスコムから北へ向かうとほどなくエクスムーアに入ります。途中のちょっとした村落を抜けると原野が見えてきます。スコットランドによく似た景色だと言うと、スコットランド嫌いを自称するピートは、こちらの方が良いと言い返します。この荒野を抜け対岸はウエールズになるブリストル海峡に面したLinmouthリンマウスで休憩です。ここは50年ほど前に川の氾濫で町がほとんど流されたそうですが、今は観光客でにぎわっています。海ぞいに東に方向を変えてPorlockポルロックの浜辺でランチです。このあたりは夏には海水浴客でにぎわうそうで、トレーラーのようなバンガローがたくさん並んでいます。しばらく行った先がマインヘッドで先週の日曜に見たWest Somerset鉄道の終着駅があります。こちらの方が町も大きく駅にもたくさんの人がいました。チャーリーが海洋スカウト団で行くWatchetウオチェットから右折してウエブリスコムまで戻ります。ちょうどエクスムーアを半周した形で110キロほどになりました。途中すれ違うのも困難な道もあり、地元のピートの運転でなければ回れないドライブでした。
    10月 2日(火):トラブル解消


    地理の教室

    紅葉した庭木

    昨日はトラブルの事を書きましたが、その後急に二つとも解消しました。
    まずデジカメの方ですがいろいろいじっているうちに、フラッシュ禁止の状態のままだったものが動くようになりました。取扱説明書は置いてきているのでどうなっているのかは分かりませんが、ともかく解決です。もう一つのパソコンのマウスですが、ラップトップ型なのでなくても手動で動いてはいました。ところが今日学校で動きが極端に悪くなり、システムの管理の人の所に持って行くと小型のマウスを貸してくれました。やはりマウスの方が使いやすく、これでトラブルは二つとも解消です。
    学校では今週からドイツ語のアシスタントが来ています。ケルンから来た男性で、大学を出たばかりくらいの年です。彼の話す英語は大変わかりやすく、ウィブリスコムは良い町だとか話が良く合いました。彼が今いる家はトウトンの近くだそうで、例の一時間に1本しかないバスで通うそうです。また今日は新しく地理の先生に授業に出るよう誘われました。高学年のクラスで授業の進め方が面白く、先生がもっぱら説明するようなことは一切なく、課題の答えを生徒が書いて手をあげるとそれを個別指導するような授業です。興味深く見学させていただきました。
    帰り道にちょっとばかり紅葉している庭木を見つけましたが、そばにはまだヒマワリが咲いているのも奇妙な風景でした。何かしら新しいことや発見が毎日あります。
    10月 3日(水):小学校へ行く


    一つ目の小さな小学校

    二つ目の小学校の隣には藁ぶきの家があり、
    屋根にはキジの形をした飾りがありました

    学校の時間割は二週間で一回りです。時間割AとBの週が交互にあり、今週は時間割Aの週で水曜日は小学校まわりに行きます。同行する先生は毎回変わるので、行く小学校もいろいろです。今日はフランス人のキャロラインと一緒です。行くのは彼女の車でです。先生も普段は忙しいのですが、このような機会にはいろいろと話ができます。彼女は学校でフランス語とドイツ語を教えています。ご主人はイギリス人です。
    料理の話でイギリス料理はだめだけれど、ホームステイ先のキムの料理は美味しいと言うつもりで、「good cooker」と言ったらそれでは「良い料理道具という意味になる」と直してくれました。このように会話の途中で直されるとよく覚えて勉強になります。また英語がずいぶん進歩したと言ってくれました。お世辞でも嬉しいものです。
    二つ小学校に行きましたが小学生は素直で、恐らく初めての日本人に興味しんしんです。何か質問をと言うとクリスマスは何をするのかとか、スポーツは何が流行っているのかとかいろいろと聞いてきます。「こんにちわ」「さよなら」など教えますが、帰りには覚えたての日本語で「さよなら」と挨拶をしてくれます。

    10月 4日(木):ウォーキングの話


    ウォークパスの牛

    畑との境にあるゲート、開くところもありますが、
    このゲートは乗り越えて行きます

    9月には寒い思いをしましたが、このところ雨もおさまり気温もあがって暖かく感じるような陽気となりました。特には何もない日だったので、ウォーキングの話を書きます。
    日本では万歩計を付けて毎日一万歩歩こうと頑張っても、達成はなかなか難しかったものです。ところがイギリスに来てからは、最初の頃の数日を除き、一日一万歩を連続達成しています。セント・オールバンズにいた夏は夜10時ころまで明るく公園の散歩も楽しかったし、また図書館へ駅へと実に良く歩いていました。ここウエブリスコムでは学校までは5分ほどですし、必要なものはホームステイ先にありますから歩く必要がありません。しかしながら時間だけは実に豊富にあります。テレビも新聞もほとんど見るわけではないし、本も英語の参考書くらいしかないし、インターネットも使う時間が自由なわけではありません。そうすると学校から帰ってすることは勉強か散歩くらいになってしまいます。あと眠ると言う手もありますが、毎日8時間以上熟睡していますから、昼は眠れません。必然的に散歩の時間が多くなります。またイギリスの食事は量が多いので歩かないと確実にイギリス人の体形になる恐れもあります。
    町中はほとんど見つくしていますが、ウォークパスと言うウォーキングコースがいたるところにあります。ロンドンやセント・オールバンズにもありましたが、PUBLIC WALKと書かれた標識があるウォーキング専用道です。犬はダメと言う道もありますが、大体は犬の散歩やランニングにも利用されています。
    よく歩くのは家の裏で、牛の放牧地の丘を登り畑の周りから森の脇を通るルートです。たっぷりと1時間はかかりますから、歩けば一万歩は達成できます。時々牛が道をふさぎ草の中を回り道もしますが、丘からは町が見渡せ気持ちの良いウォークパスです。出会うのはウサギ、キジなどでイノシシの声が森から聞こえたこともあります。動物と言えば珍しいのはハリネズミでしょう。めったに見られませんがこの間家の前をチョコチョコと横切っていました。
    写真はウォークパスの牛と途中畑との境にあるゲートです。開くところもありますが、このゲートは乗り越えて行きます。
    10月 5日(金):学校での授業


    語学の先生の写真

    道路わきで見かけたススキとバラ

    まだ学校では名前をカタカナで書く事を続けています。そろそろ終わりかけてはいるのですが、本来の授業を続けながら二人づつ呼び出して名前を書くので時間がかかります。最近はコンピュータルームがあいているとそこで教えています。英語で名前を書かせてカタカナで書きそれを真似させるのは同じですが、初めに「こんにちは」「ありがとう」「さよなら」を復習してから始めます。日本語で書いた自分の名前をどう思うか聞くと、なかには「クール」と大変興味を示す子もいます。終わりには何か日本について知っているかと聞くことにしています。大体は何も知らないと答えますが、パソコンで用意した「ポケモン」を見せると全員知っています。続けてニンテンドーのゲームやトヨタ、ホンダなど皆日本からだよと話して聞かせます。その他ではスシもみんな知っていますが、ほとんどの子は食べたことがないそうです。
    外国語に力を入れているのでしょうか、先生は7人いて主にフランス語とドイツ語を教えています。その他にはスペイン語も少しですが教えています。全員が女性です。週末のお昼休みはミーティングがあり出席しています。何を話し合っているのか、時々分かる言葉はありますが全体としては全く分かりません。ゆっくりと分かりやすく話してくれると何とか通じるのが今のレベルのようです。

    10月 7日(日):お寿司を作る


    お寿司

    車に驚き逃げるキジ

    ロンドンに住む娘が訪ねてきました。
    炊飯器とお米を持ってきてくれたのでお寿司を作ることにしました。お寿司と言っても材料がないのでちらし寿司を海苔で巻いた太巻き風なものと稲荷寿司です。中に巻くものは昨日買ったキュウリとカニ蒲鉾、デンブなどです。作っている途中の試食でかなりお腹もふくれましたが、日本茶をそえてランチとなりました。味はそこそこだと思うのですが、純イングランドのピート一家は海苔が苦手のようです。ひとつ試してみて、乾いた海藻は珍しいとか言っていましたが、あとは手を着けません。しかし稲荷寿司は好評のようです。あと意外だったのはデンブが好きなことです。なにしろ甘いものが大好きな人たちですから当然かもしれません。また作るチャンスがあれば海苔はやめた方が良いようです。デンブをまぶしたちらし寿司とお稲荷さんなら結構好評と思います。
    さて折角来たのだからと娘と裏のウォークパスを歩きました。普段いるキジはどうしたことか今日に限って姿を見せません。わずかにウサギと牛だけで天気もそんなに良くないのが残念でした。夕方近く娘が帰ってからピートにキジがいなかったと話すと、それなら一杯いるところを見せてあげると案内してくれました。一車線の山道を行くとキジに注意の道路標識が現れあたりの丘にはキジがたくさんいました。泊って鉄砲でキジ撃ちが出来る施設が近くにあるそうですが料金が高いと言っていました。野生なのですが餌などやって育てているようです。
    10月 8日(月):ゴミの話


    全員ポテト半分以上は残した
    30pはあるフィッシュ&チップス
    <
    リサイクル回収所

    前にイギリスではビンカンも生ゴミと一緒に捨てていると書きましたが、ここウィブリスコムで見ているとどうも違います。
    ピートの家は大変リサイクルに熱心でゴミを選別しています。選別は生ゴミとその他ゴミそれにリサイクル用としてプラスチック製品とビンカン、新聞などの紙類に分けています。裏庭に大きなリサイクル用のゴミ収納ボックスがあり、一週間に一度大体は土曜日にリサイクル回収所に捨てに行きます。面白いのはビンの色で捨てる場所が違うことです。グリーンとレッドでは別の所に捨てます。生ゴミはこれまた専用の回収ボックスがあり、これは回収に来るようです。
    きれい好きで分別に大変熱心な一家なのですが、日本人の目から見て奇妙なこともあります。まずディナーの量が大変多いのです。もちろんピートの家でも作る量の調整をしていますが、時々子供が半分くらいしか食べなくて残すことがあります。そんな時にはもっと食べるようにと言うこともないですし、残ったものは全部捨ててしまいます。ワンプレートが基本で子どもも大人も作った料理は全員同じ量に分けて食べています。下のチャーリーは小柄で小食ですがいつも皆と同じ量では残すことも多いのです。
    リサイクル=資源を大切にと言う事だと考えると奇妙な感じがします。

    10月 9日(火):新しい授業の試み


    休み時間の校庭

    教材

    学校では名前を書くのもほぼ一巡し、新しい試みとして、会話をもう少しやることにしました。
    いくつか案を出して「あなたの名前はなんですか」「私の名前は***です。」を教えることになりました。また箸の使い方も教えてくれと言われました。こちらの授業は知識としてストレートに教えることはないので、どう教えるか苦労します。今まで日本語は「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」と数を「いち」から「じゅう」までしか教えていないのに、いきなりこんな長い文を覚えられるか疑問です。ともかく最初の試みでやってみましたがなんだかチンプンカンプンのようです。もともと子供たちは興味があって日本語を学ぶわけでもないし、本来の授業の合間に少しだけ日本語を学ぶので、しっかり覚えるのは無理なようです。しかしこれで一応は会話になるわけで、教えるだけは教えようと思います。
    箸の使い方はもう遊び半分のようなものですが、せっかくの機会なので日本の事をもう少し知ってもらおうと、持って行った日本の小中学生向けの新聞を開き説明することにしました。英語のページでは日本の生徒はみんな英語を勉強しているんだよとか、日本語は縦書きだと上から下へ、右から左に読むんだよとかです。
    みんなでお寿司を食べている絵がありましたので、そこのところで「日本ではお箸を使って食べるんだよ」と言って箸の使い方を教えます。そこらになっている赤い木の実をつまむのですが、何しろ初めてなので教えてもなかなか出来ません。時々器用な子がいますが大体はだめです。なんとか摘まんで運べるようになると実にうれしそうです。
    二人ずつ順番に個人授業のようなものですが、毎日のことなので、学校でも街中で子供たちからもひんぱんに声をかけられるようになりました。
    10月10日(水):甘い料理


    授業風景

    学校の脇の通学路

    基本的にイギリス人は甘いものが好きです。学校のデザートも甘いケーキが多く、果物もシロップ漬けになっています。ピートの家でのデザートも甘いものばかりです。
    さてランチは朝メニューを見て予約するのですが、今朝は予約の一番多かったメニューを頼んでみました。ジャガイモと豆のなんとかでメニューだけではどんな料理かよく分かりません。大体推測のつくチキンなんとか、カレーなんとかはいつもメニューの最初の方です。今日のメニューは8種類ほどあり、この料理は下の方で7番目でした。
    お昼の時間になり、予約のチェックが多かったこともあり多少期待してランチの列に並びました。大きめのポテトに大豆のような豆の煮たものとその上にたっぷりのチーズがかかっています。
    席につき一口食べてびっくりです。なにかしまりのない甘さの豆とポテトです。出されたものは何でも食べてきたのですが、途中でどうにも食がすすまなくなり、ついには大半を残してしまいました。デザートも今日に限りしまりのない甘さのお菓子を選んでしまいました。何なんでしょうねあの甘い豆料理が一番人気とは。つくづくと、サンマにジューっとお醤油をかけて食べる幸せを思い出させたランチでした。
    残念ながらランチの写真は撮っていません。
    10月12日(金):フランスへ買出し


    学校のフランスへの交流訪問の写真

    学校のドイツへの交流訪問の写真

    水曜日の夜からピートとスティーブはフランスに行き、今朝帰って来ました。
    毎年ワインなどの買い出しに二人で行っているようです。ルートは車で英仏海峡のプールと言う港まで行き、カーフェリーでフランスのシェルブールへ渡り買い物をしてくるそうです。二泊三日ですが、二泊ともカーフェリーで観光などはしないそうです。あくまで買い出しです。フランスではワインなど半額のようなことを言っていました。なにしろ毎日一本ワインを夕食時に飲んでいるのですから大量に買いこんで来ました。カーフェリーの料金はずいぶん前に予約して一人50ポンドほどだそうです。フランス行きを聞いた時、学校もあるし、直前だと料金が250ポンドにもなるのでやめた方が良いと言われました。しかし二人はだいぶ羽を伸ばしたようで嬉々と帰ってきました。
    シェルブールと言えば「シェルブールの雨傘」でおなじみのところですし、少し南下するとモン・サン・ミッシェルがあります。このルートで行ってみたいですが、どうせ行くのなら昼間の景色を楽しみながらゆっくりと観光で行きたいものです。
    イギリスではかなり前にインターネット予約をすると交通機関の料金が安くなります。それに曜日、時間帯によっても料金が違いますからよく調べると格安で旅行が出来ます。
    ピートの家ではこの夏はギリシャへ家族旅行していますが、来年2月にはポルトガルへ行くそうです。そのほか家族旅行ではブルガリアにスキーに行ったこともあるそうです。いずれも予約はずいぶん前にしたそうです。
    学校でもドイツやフランス、スペインに毎年行っていますし、スキー旅行にイタリアにも行ったとのことです。ともかく簡単にヨーロッパに行けるだけ、相手の言葉を学ぶのが重要だと思います。

    10月13日(土):腰痛です


    今朝の霧

    ドライクリーニングの看板

    このところ腰痛に悩まされています。椅子に浅く座るのがいけないのではと事務のキャッシーに言われました。彼女は30年前に日本に行ったことがあるそうで、その時の写真を見せてくれたことがあります。普段は外国語センターの事務をしていて、いろいろなドキュメントをパソコンで作っています。暇なときは英語の言い方を直してくれて良い先生役です。
    腰痛ではもうひとつ毎日ノートパソコンをカバンに入れて学校に持って行っていることも原因かもしれません。肩に担ぐと相当重いので結構腰に負担が来るようです。
    そんなわけでこの週末はあまり机に座らずゆっくり休もうと思います。来週からは自分のパソコンは持って行かずに学校のパソコンを使うようにして様子をみます。
    今日はジャケットをドライクリーニングに出しに行きました。土曜の昼なので、町のセンターは買い物客でにぎわっています。この店はペットショップが主なのですが、ドライクリーニングの取り次ぎもしていて、水曜日に出来上がるそうです。ただし営業時間は9時から1時までなので、学校に行っている時間い当たり普段は開いているのを見たとがありません。

    10月14日(日):イージー・ジェットで予約する


    予約のプリントアウトで日程

    予約のプリントアウトで料金

    スコットランド旅行でも使いましたが、イギリスにはイージー・ジェットと言う安い航空会社があります。インターネットで見ると、月日や時間によって料金が大幅に違います。インターネットで申し込みをしますが、基本的には人気のある便は高く、出来るだけ前に予約をした方が安いのです。
    11月の初めで今回の研修が終わるので、どこかヨーロッパに行ってみたいと思い計画をしていました。今日キムに助けてもらい予約をしました。
    ロンドンからオランダ、スイス、スペイン、ポルトガルを一周するコースです。
    ロンドン→アムステルダム;21.46ポンド
    アムステルダム→バーゼル;24.86ポンド
    バーゼル→マドリッド:19.74ポンド
    マドリッド→リスボン;6.57ポンド
    リスボン→ロンドン;13.89ポンド
    手数料入れて航空料金の総額は101.47ポンドですから日本円換算で2万円台です。
    しばらく前見た時には同じ日程で、150ポンドほどでした。今回でも曜日によっては倍以上料金がしましたが、旅行しーズンを外れしかも平日を選んだのでこの料金になったと思います。マドリッド→リスボンはロンドンの空港へ行くより安いと思います。
    あとは宿の手配ですが、探せばなんとかあるものと思います。
    10月15日(月):休み前の一週間


    ウオーキングコースのすぐそばにいた牛

    落ちていたキジの羽

    来週は一週間学校が休みなので今週は休み前の一週間となります。
    学校でやっていることは、一通り名前を書き終えたので二人ずつコンピュータルームに呼んで「わたしのなまえは***です。」を書いて発音の練習をさせています。当初は「あなたのなまえはなんですか」も入れたのですが、難しいようでやめました。あとお遊びで箸の使い方を教えています。これは好評で、中にはお父さんが日本に行ったことがあるとか、親戚が中国人だとか言って上手な子もいました。一組10分くらいかけてあとは雑談でポケモンやキテイの事を話すと子供だけに大喜びです。見ていると素直なのは年少だけで、年長のクラスになると騒いだり勉強意欲の無い子が増えてくるようです。もう少し違うやり方もあったのでしょうが、これで少しでも日本に興味を持つ子供が増えてくれれば嬉しいものです。
    腰痛は週末ゆっくりしたせいでだいぶ良くなりました。今日はパソコンを学校に持って行かなかったので、それも良かったようです。
    写真はいつものウオーキングコースのすぐそばにいた牛と落ちていたキジの羽です。キジもかなり大きくなっているのですが、保護色で写真だと良く分かりませんので羽で代用です。
    10月16日(火):全校集会


    全校集会の解散時

    パブにいつもいるウエールズ人
    (紙巻きタバコを巻いています)

    学校のお昼は1時15分からです。給食やお弁当を食べて5時間目が始まる2時25分までは昼休みのクラブ活動などありますが、今日は全校集会がありました。外国語学科の主任のジュリーからそこで外国語学科の月間の表彰をするから手伝ってくれと言われました。どんな選択基準なのかわかりませんが、抽選でクッキーの缶が賞品です。前に出て待機していると手招きされて候補者の名前を小さく書いた紙を一枚選ぶ役です。そのあとは「真のヒーロとは」とか言う内容で先生の話がありました。相変わらず普通のスピードの英語は良く分かりませんが、生徒はおとなしく聞いていました。
    夜になりいつもは水曜のパブ行きを今日行こうとピートが言い出し、9時過ぎにスティーブンが迎えに来て3人で出かけました。実は明日スティーブンとゴルフに行くことになっているのですが、11時過ぎても友達とパブで盛り上がり帰りません。ようやく11時半に家に帰り着きました。なにしろまわりは全部英語なのですから、このごろは特に話題がこちらに向かないときは会話が分らなくても気にならなくなりました。こんなことでは英語がうまくならないのではと思っています。

    10月22日(月):バルセロナ


    ホテルのエレベーター

    バルのツマミ

    ロンドンのルートン空港からイージージェットに乗ってバルセロナに着きました。2時間余りですが、イギリスの寒さがうそのようです。街も明るく道も広く、きれいな所だと言うのが第一印象です。なにしろ新鮮な魚類を食べたかったので、夕食は宿のご推薦のバルに行きました。バルと言うのは居酒屋のような所ですが、ビールやワインと一緒におつまみ風な料理を頼めます。タコやイカを初めイギリスではお目にかかれないものが並んでいます。富山名産のホタルイカもどきを堪能しました。
    10月31日(水):ハロウイーン


    研修の休み時間

    ハロウイーンの仮装

    小学校の先生を集めてフランス語の教え方の研修会が午前中ありました。ジュリーから参考になるから出てみたらと勧められたので参加しました。小学校の先生の中には何人か顔に見覚えのある方もいました。
    研修は実際の授業のやり方を小学校の先生を生徒役にして行います。パソコンやいろいろのカードを使い、興味を持たせるよう工夫されています。教材も立派な、豪華とも言えるものです。聞くところによると最近からだと言うのですが、語学教育に取り組んでいる意気込みを感じました。日本の小中学校の語学教育ははたしてどんなものなのでしょうか。

    話が変わり今日はハロウイーンです。アメリカの影響でここ数年子供が仮装して歩きまわるようになったと言っています。
    夜になると仮装した子供が次々に、玄関のチャイムを鳴らします。ピートは「ワ!!」とドアを開けて脅かしています。大体小さな子が親子連れで来ますが、お菓子をもらうとちっちゃな魔女はにっこり嬉しそうに次の家に向かいます。
    水曜はパブの日で、行き帰りの通りには仮装した連中が練り歩き、そこらじゅうから声がかかります。
    ピートの家の子供を見ていると、宿題こそありますが、塾もなくほとんど家で勉強していません。その代りスカウトの集まり、フットボール、ドラムの練習と実に楽しそうな生活です。子どもの身になればイギリスの方が楽しいと思います。 
    11月 3日(土):トウトンへ散髪に


    床屋さん

    トウトン城の城壁

    ロンドンで中華街の床屋が高くて行きそびれてから、髪の長いのが気になっていました。
    ウィブリスコムには美容室はありますが、散髪屋はありません。土曜は休みなので、トウトンまで出て探しましたがすぐには見つかりません。そこでインフォメーションで聞いて近くの床屋に行ったところ、2人の理容師さんの床屋に10人も待っていました。しばらく待っていると様子が分かって来ました。一人10分ほどでカットして終わりです。日本の駅に良くある1000円バーバーショップより簡単です。それでも1時間近くは待ちました。待っている間に観察していると、基本はかなり短く刈りあげるスタイルです。席についてすごく短くしないでと頼みましたが、あとはなにやらどうだこうだと言っているので適当に相づちをうちました。髪を切るのですから、この位かとか身振りも交えて聞いてくるのでまあまあ意味は分かります。
    出来上がりは日本で言えばかなり短いスタイルとなっていました。料金は7ポンド50ペンスで前にセント・オールバンスで行った時よりは高かったです。その後歩いていると又床屋さんを見つけたので料金を見ると、カットだけだと7ポンドと書いてありました。
    11月 4日(日):プリマスへ行く


    エリザベス王朝時代の家

    メイフラワー号の記念碑

    最後の日曜日に近所の見所の港町プリマスに行ってきました。
    朝9時15分の列車を予約しているので、いつも乗っている7時半過ぎのバスを待ちました。なにしろその次のバスは9時なので、駅で1時間は待つつもりでした。ところがバスが来ません。遅れているのかなとも思いましたが、待っている人が誰もいないのです。おかしいなあと時刻表をよく見ると、日曜は11時が始発です。間に合いっこありません。日曜にトウトンに行くときはいつも車に便乗していたのです。しかたがないので家に帰り諦めるかなと思っていると、ピートが起きだしてきて、どうしたのかと聞いて来ました。いつもは10時まで寝ているピートに事情を話すと、駅まで車で送ってくれると言うのです。今までいろいろ気を使ってくれましたが本当にピートの気遣いには感謝です。
    そんなわけで予約した電車に乗ったのは良いのですが、車掌が来て次の駅でバスに乗り換えろと言います。たしかに今日は路線の工事でエクセターでバスに乗り換えるようになっていましたが、次の駅とは聞いていません。言う事を聞いて降りると1時間半待ちと言われました。何にもない駅で昼近くまで待ってバスに乗りようやくプリマスに着きました。
    プリマスは天気が良ければまた印象も違うのでしょうが、曇りでしかも寒い季節なので観光客も少なくてさびしげでした。おめあてのメイフラワー号の記念碑もどこにあるか探してようやく見つけてみると、大したものではありませんでした。蟹のバケット4.95ポンドとビールの昼食の後、海の見える丘を回り駅に向かいました。来た時と同じで駅からバスに乗ります。来たときと同じ乗り換え駅で列車に一駅間乗りトウトンに着いたもののバスの連絡が悪く、一時間以上待つはめになりました。ともかくやけに待ち時間が多い一日でした。
    日曜で恒例のパブですが、疲れて今日は2パイントでダウンです。この頃はベルギーのステラがお気に入りです。
    11月 5日(月):最後の授業


    最後のランチで豚肉の甘酢あんかけのような料理

    最後の授業が終わったところ

    明日は授業がなくお昼は送別ランチだそうです。水曜日は小学校へ行く日でそれで終わりのつもりだったのですが、ジュリーの口ぶりでは授業は今日で終わりというような感じです。声をかけてくれた先生もおんなじことを言っています。細かいことを話し合う英語力もありませんし、まあここまで来たら、いつ終わろうが良いので納得しました。
    おもに11、12歳のクラスに教えていましたが実に可愛いものです。今日の生徒の中には日本に行ったことがあると言う子がいました。東京、京都、広島、長崎に行ったそうです。「アリガトウ」を「アリガトウゴザイマス」と言えました。よく声を掛けてくれた子供たちと別れるのはさびしいものです。もし日本に来るようなことがあればぜひ訪ねててきて欲しいものです。
    夜になり花火大会のようなものがありました。なんだか故事にちなんだものらしいのですが、こちらの花火はパッとしないうえ寒くて早々と解散してしまいました。
    ウィブリスコムに来てから2か月たちましたが、まさに光陰矢のごとしです。英語ではtime fliesですが、ピートに日本ではtime flies like arrowsと言うのだと教えてあげました。
    11月 6日(火):送別ランチ


    送別記念写真

    パブにいた犬と常連のウエールズ人

    お礼のプレゼント用に、日本から持ってきた手ぬぐい、のれん、そのほかこまやおはじきなどのおもちゃを先生分仕分けてスーパーの袋に入れました。8人分と後からのアシスタント2名分ですから結構な量になりました。持ち帰っても仕方がないので在庫整理です。習字用の筆は100円ショップで買ったので、メイドイン・チャイナと書いてある袋は外して皆に1本ずつ入れました。壁に飾ったディスプレーはそのまま飾っておいてくれとのことでした。
    お昼になって学校の給食を作っているところからケータリングです。スタッフルームは手狭なので隣の教室を片づけてランチの始まりです。料理の中に珍しく串に刺した焼鳥がありました。塩でなくタレです。これが日本のものとそっくりです。多分冷凍だと思うのですが、どこに売っているのでしょうか。買いたいものです。
    めいめい勝手に食べているうちに案の定スピーチをと言われ、簡単に挨拶しました。みんなは英語が上手になったとか言いますが、こちらに合わせてくれているだけで、うまくなったとはとても思えません。いつもにこにこしているのが子供たちに好評だったと言われましたが、言葉が分らなければにこにこしているしかありません。そう言えばこちらの先生はいつも難しい顔をしています。
    プレゼントにウィブリスコムの本をもらいました。厚い立派な本で、1日1ページで読み終わるのに2年かかるとジョークでお礼を言ったら受けました。
    夜になりステイーブンが水曜は都合が悪いので、今日パブに行くことになりました。パブは水曜と日曜に3人で毎週行っていました。気がつけばパブでは大分顔見知りも増えました。
    帰り道、見あげると北斗七星やカシオペアそれに天の川といつも見慣れた満天の星空でした。
    11月 7日(木):最後の最後で小学校


    最後の小学校

    授業の様子

    朝いつもの教員ミーティングに出ると、今日で終わりと紹介されて皆から拍手を受けました。いつもは早口でほとんど分からないミーティングですが、自分のこととなると分るものです。
    学校での授業は終わったのですが、最後の小学校回りはありました。サムと一緒に出かけましたが本当に小さな学校です。全校で2クラスしかありません。いつもの「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」と数を1から5まで、それに名前をカタカナで書いてあげました。子どもたちの質問もいろいろです。だいたいはこれは日本語でなんというのか聞いてきます。色の名前を聞いてきたり、クリスマスのあいさつを聞いてきたりしました。また名前のほかにダディやマームを日本語で書いてくれとのリクエストもありました。こんな小さな小学校なのですが、中には北京から帰ってきた子供もいました。多分親の仕事の関係なのでしょう。ともかく言葉が分らないと意思が通じないので、英語の本家でありながらこんな田舎の小さな学校まで外国語教育をするイギリスは大したものです。
    これでウィブリスコムには2か月。通算4ヶ月のイギリス生活が経過しました。
    11月 8日(木):ペンザンスへ


    セント・マイケルズ・マウント

    古いパブ

    コーンウオル半島の先端にランズエンド(地の果て)という大げさな名前の所があります。断崖になっていて目の前に海が広がる所のようです。日曜ロンドンに帰るまで時間もあるので行ってみようと思いました。ピートは何にもなくてつまらない所だと言います。話を聞いているうち本当ににつまらないところのような気がしてきたのですが、ともかくペンザンスと言う町まで行ってみました。列車で3時間半もかかり、ロンドンへ行くより遠い距離です。
    2時少し前に到着しましたがインフォメーションセンターの前からセント・マイケルズ・マウント行きのバスがちょうど出るところでした。セント・マイケルズ・マウント言うのはモンサン・ミッシェルの小型版のような小島で干潮時は歩いて行けるそうです。10分ほど乗り、島の前の停留所に着きましたが、他には誰も降りませんし観光客はいません。海岸はすぐ目の前ですがちょうど満潮で潮が満ちてきました。寒い潮風に吹かれて帰りのバスを待ち、町に戻って来ました。予約してあるホテルに着くと、フロントの人は日本に行ったことがあると片言の日本語で歓迎してくれました。
    夕食は1382年創業、現在の建物は1660年に改装と言うパブに決め、港町だからシーフードが食べられるかと期待して行きました。まあそこそこと言えばそこそこだったのですが、ここで日本から留学している女性に会いました。パブはいつもビールを飲むばかりですが、日本語でしゃべれて食べ物があるとまた格別です。
    11月 9日(金):ランズエンドへ


    イングリッシュブレックファースト

    ランズエンド

    ランズエンドへは昨夜の日本人と話しているうちに、一緒に行ってみようと言うことになりました。
    朝待ち合わせて、バスで約1時間岬を目指して走ります。あたりは牧草地と畑ですが、いつも見慣れているので大して珍らしくありません。終点のランズエンドは本当に何もないところで、アミューズメントパークがありましたが誰もいません。ホテルがありその外の崖沿いが遊歩道になっています。帰りのバスは2時間後にしかないので、しばらく崖の上を歩いてみました。風が強くさくのないところもあり、東尋坊が続いているような具合です。すぐ沖に小島があり日本なら観光地として立派に売り出せるでしょうが、イギリス人には何もないのがお気に召さないようです。そう言えばピートのお勧めは、もっと大きなテーマパークがあるからそっちに行った方が楽しいとのことでした。夏ならまた違うのでしょうが風が強いので、ホテルでお茶を飲み帰りのバスを待ちました。
    ペンザンスに帰って帰りの列車を待つ間に遅いランチを食べましたが、このパブは当たりでした。まあお値段もそこそこでしたがスズキの塩焼き風が大変美味しかったのです。
    11月10日(土):ウィブリスコム最後の晩に



    昨夜帰り、最終日なのでいろいろ片付けて1日が終わりました。
    最後に裏の丘のウオークパスをもう一度歩いてみました。この2か月の間ほとんど毎日歩いた道です。いろいろな思いがこみ上げてきます。またウィブリスコムに来るとピートには言いましたが本当に帰ってこれるのでしょうか。水曜日まで行っていた学校も今では遠いものに思えます。
    今回のイギリス滞在を振り返ってみると、今までの人生では経験したことのない体験でした。もっと若ければまた違う感想もあるのでしょうが、どんなことがあってもあるがままに受け入れて、あんまり頑張らない生活でしたのでストレスはほとんど感じませんでした。いやなことや嫌いなこともありましたが、生活習慣の違いだと思い暮らしているうちに、イギリス人も本質は同じ人間なんだなと実感しました。また言葉は確かに重要ですが、ある程度理解しあうとたいていのことは通じることも分かりました。
    英語をもっと出来るようにとイギリスに来ましたが、その出来ると言う目標もそんなに高くないのでほぼ達成したと思っています。ゆっくりと分かりやすく話してくれれば何とか分かるのが今の現状です。文法や単語は不十分ですがそれでも生活はできました。面白いのはピートが私の英語の通訳をしてくれることです。少し複雑な話になると彼は私の英語力を分かっているので通訳してくれるのです。次の英語の目標は彼の通訳なしに何とかもっと話せるようになりたいものです。
    写真はいつもの丘から見たウィブリスコムです。ピートの家は中央右の窓枠が茶色の家です。
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